ガキの頃を思う春彼岸お墓参り

お盆とちがって、彼岸のお墓参りにむかうお決まりの日はその土地土地でちがうようです。今年の彼岸は18日から24日まででしたが、村内でも、祭日春分の日にあわせてお墓に向かう家もあれば、わが集落のように彼岸明けの日のお墓参りが多いところなど様々です。

また、村内でも、わが地区の入道集落などは、春彼岸も秋彼岸もお墓への詣りをやらないところもあるようで、同じ仏教、同じ宗派でも、人々の行いというのは土地のちがいによってほんとに多様なものです。宗教というより、父や亡き人々を偲び感謝をあらわすということでお墓にむかっているこちらなども、そういう類いの慣習にはほとんどこだわりはありません。

さて、今年の春彼岸。菩提所・龍泉寺の境内わきにあるわが家の墓地などは、丈の低い墓碑なのでまだ「墓」を表す構造物はすべて完全に雪の下。山門わきもまだ寄せた雪がこんな小山状態です。

土葬時代の昔は長い角材の墓標で冬でも墓地の所在がわかりましたが、火葬をするようになってからはそういう墓標は次第に姿を消し始め、今ではごくわずか。ですから、村のお年寄りのみなさんがつくってくれたのを買い求めた「彼岸花」と、手づくりのおだんごを供える時には、「だいたい、ここらが、我が家の墓だろう」という推定でお参りの事を運ぶ家々も結構多くあります。中には「墓は雪で隠れているから」と、お寺の中でのお参りで済ませる方もおります。

ところでいつも記しますが、昔のこの日は、われらガキどもにとってなんともうれしい日。それは、お墓に供えられたダンゴやお菓子を「べっとう(別当)」として堂々といただける「ごちそう日」だったからです。「カラスに取られるより先に」と「徒党」を組んで家々のお墓に向かった日を、春彼岸の日は決まって思い起こします。家々によって、大きさ、かたち、堅さ加減、甘さ、あんこの量、などが異なるだんごの味くらべシーンなども。

彼岸なのに、朝の外気温はマイナス6℃。前夜から降雪となり道路には除雪機械も出動。もしかしたら今月に入って初めてかな?久しぶりの国道、県道、村道の除雪作業ということになりました。お墓でも、新雪をスコップで少し寄せて供物の置き場つくり。日中も時折吹雪になるほどの荒れ空で、ロウソクの灯もたちまち消えてしまいました。

平野部と山間部はすでにある残雪量のちがいばかりでなく、なごり雪の降る量にも大きな差が出るのがこの時期です。村はほかとは雪の量がまったくちがいますから、まだまだスノータイヤをはずした方はいないはずです。雪の降り始めと同じで、これからの季節に多発のスリップ事故は要注意。過去にも大きな人身事故がおきていますから、みんなで注意をよびかけあいたいものです。村では夏タイヤへの取り替えはまだまだ早いですからね。