今日は、見慣れている鳥をふたつご紹介です。
先日昼、自宅の居間にいて窓外のエド(井戸・池のこと)を見たら、ゲドヂ(カワガラス)が飛来、水の中に何度も潜りました。川でならばごく普通に見られる光景ですが、わが家の軒下池でこんなゲドヂの姿を見たのははじめてのこと。おそらく彼は、時々ここに舞い降りているのでしょ う。
実は、あまりに普通に見られ、声も姿も美とはかなりかけはなれた鳥のゲドヂには、これまでそんなに注目していなかった当方。その彼への見方を変えてくれたのが一月ほど前だったかのテレビ番組でした。
番組では、カワガラスの生態写真を撮る方が紹介され、水中で、小鳥にしては大きな石を動かしてまで虫をつかまえる様子が克明に写されていました。その時の水中でのカワガラスの動きの美しさ、水泡を抱き光る羽色の美に、私は「ひとめぼれ」してしまったのです。
そういう映像を頭の隅に記憶していたので、「これはッ」と、家の中から、物陰に隠れて警戒心強い彼の姿をパッと写し撮りました。ガラス越しのゲドヂ(カワガラス)ですが、この鳥は、ほんとにたくましく、そしてとくに水中では輝くような美しさを見せますよ。
二つ目の鳥は、これも水鳥のおそらくカワアイサでしょう。成瀬川に渡る冬鳥の仲間で渓流の魚、とくに大量に生息するカワザッコ(ウグイ)を最も多く食べることで知られるカワアイサ。
昔の村にはほとんど飛来のなかった留め鳥のアオサギも、今の成瀬川では年間を通して川魚の最大の敵。それに次ぐ魚たちの敵が、冬の間だけですがこのカワアイサです。腹部内側の超うす~いオレンジ色がかった白色の羽毛が美しい、外見ではオシドリの雄とまちがいやすい(オシドリより一回り大きいですが)川鳥です。
この鳥が成瀬川の本流できのうジッとしていました。アオサギとちがってカワアイサはカワガラスが虫を捕らえるように水中に潜って魚をとらえる鳥でしょう。雪解けで活動がややせわしくなりはじめたウグイを大きな渕で狙い獲りし、おなかを一杯にして休んでいる、これはそんな一瞬かもしれません。
妻はきのう、自宅の屋根でカラスが愛を交えている姿を一瞬目にしたそうです。もう留め鳥や夏鳥たちが盛りの愛を深める春。アオグビ(マガモ)やこのカワアイサも含め、成瀬川で冬鳥たちを目にすることができるのも、あとわずかの日数しかないでしょう。