少しずつ、冬を越すためにしておかなければならない降雪前の支度にとりかかっています。
きのうはまず、自家用生活用水の取水口に設けている貯水タンクの掃除に出かけました。
タンクは清水の湧き口に取り付けているので掃除はいたって簡単。でも、そこまであがるのには一汗をかきます。
取水口そばの小沢の石は何千年もの長い間絶えずに流れ続けてきたのでしょう清水の湿りで苔むし、そこはトトトト、トトトトと落ち下る清水の音、それに苔の緑が輝き、春から秋までなんとも素敵なところです。たとえば雪解けの春は草木の芽吹き、秋ならそれに紅葉景色や落ち葉も加わります。ですから、まるで清水が奏でるシンフォニーのなかで絵画をみているような、そんな場面が眼前にひろがっている雰囲気です。
こんなところに名の知られた作曲家がもし足を踏み入れたなら、どんな名曲がうまれるのかな、などと思いながら掃除を済ませました。
貯水タンクのそばに植えてある山ワサビは緑を濃くして年々大きく成長しています。沢筋でいま目立つ木の実は橙色のニシキギの仲間。むかしはこの柴木を竹ほうき代わりの外ぼうきとしてよく使ったものですが、いまそんな用い方をする方はいなくなったでしょう。
帰路、用水の沢沿いで耕されている畑をながめ車をとめました。幾度も記してきたようにこの沢沿いで耕作を続けているのは83歳になる集落のKさんの家だけ。かつては何戸もの農家がこの沢でもたんぼや畑をつくっていましたが、ついに一戸だけとなり、そのKさんも一昨年からたんぼは止めて畑だけに。それでも、たったお一人でも作物の栽培を続けていれば、農道も畑もたんぼも沢も荒れずにこうしてきれいに維持できるのです。
人の手が加えられるからこそまもられる自然と調和した農山村の典型的な景色。この沢でお米がつくられなくなったことは残念ですが、せめて畑だけはなんとかこうしてずっと作り続けてほしいものです。おいしいあきたこまちをこの沢でつくりたい方は、農地のご紹介を農業委員会がいつでもお引き受けできるでしょうからお問い合わせください。
最後は農道からながめた晩秋の集落の片隅です。先日の電車の沿線もそうでしたが、たんぼの穫り入れが終わった農山村って、全国どこでもほんとに静かなものですね。
▼5日付のさきがけ新聞27面は、4日の県ジュニア将棋大会の結果を載せ、わが東成瀬小学校4年の杉山秋さんが中学生と決勝を戦い準優勝獲得を伝えました。おめでとう。