51回目の村産業祭

農林産物やその加工品、民芸品などを展示し、優れた産品を表彰する村の物産祭り、第51回目の産業祭の表彰式が27日に行われました。

おなじ「あきたこまち」でも秋田県南のそれは毎年全国の食味ランク比較で特Aクラス。そのなかでもわが村の「あきたこまち」はトップ級の食味値をもつことで知られ「オメダほうのこまち食ってからなば、ほがのこまち食われねェ」と引く手あまたのお米です。

そのお米と、これも最高級の味をもち「村のトマトでなければ」とわざわざほかの地域からも直売所に来られるほど人気の高いトマト、そして菌床シイタケ、美しさの質で評価の高い花卉のリンドウ、私たちが誇れる農産物などがあることはほんとにうれしいもの。それも、この日受賞されたみなさんの努力があってこそのことです。

村は、全国、全県に知られる葉たばこ栽培のすぐれた歴史をもち、養蚕や、自然放牧の日本短角種をはじめとして農畜産業ですぐれた実績をのこしてきています。そうした先人・先達の努力のうえに、たとえば畑作物栽培のその技をひきついだ今日のみなさんのご尽力が今ではトマトをはじめ各種野菜として会場に展示され、表彰された物産にはその歴史がこめられています。

そういう感謝の思いもこめ、表彰されたみなさんへのお祝いの言葉を申し上げました。写真には今年の出来秋の喜びがいっぱい詰まっている展示品の一部をとりあげました。1等賞には、私の同級生もふくめ毎年欠かさず名前を連ねる方々もおられます。その技、たいしたものですね。

今年の産業祭では少し残念なこともありました。それは昨年まで長く出品されていたりんごが見られなくなったことです。りんごや洋なし、モモなどの果樹は、かつて下田地区と滝ノ沢地区を中心に、さらにりんごは成瀬川上流部の岩井川や五里台地区で、ブドウも岩井川地区でも栽培されていました。りんごは、豪雪被害などで下田地区が栽培を止めてからも滝ノ沢地区で続けられていましたが、自家用などごく一部をのぞいてその滝ノ沢地区でも栽培農家がほとんどいなくなり、今年からは産業祭へのりんご出品も絶えました。

今思えば、世界有数の豪雪の村でよくりんご栽培を長年続けたもので、その苦労はなみたいていでなかったでしょう。県下有数の養蚕、葉たばこ産地、それに豪雪下での果樹、そういう農の歴史があったからこそ今の農があることを忘れたくないものです。

展示されている土器は、今年掘り出された縄文土器をはじめとする上掵遺跡の土器、石器です。縄文時代の人々が暮らしてから数千年後に開かれている産業祭、そこにならぶ数々の産物と土器。なんだか祭りに縄文の人々も参加しているようで、とってもふさわしい展示と思ったところです。
▼きのうは、新庄最上と秋田県南の市町村が高速道整備で河川国道事務所へ要望しました。