紅葉の盛りが高原から谷へ下り、さらに人里へと移ってきました。里山では、色づき盛りの木々もあれば、ホオノキや丈の低い柴木などではもう落葉の始まった樹種もあります。
大きなホオノキの葉っぱが落ちる時はカサッ、ガサッと音がします。新しい落ち葉がそうして地面に重なり始める頃は、深まる秋のキノコたちが顔を見せ始める時。私はそういう季節の里山を歩くのがとても楽しみです。
落ち葉が始まる頃のキノコの代表格はムギダゲ(ムキタケ)、それにヤマドリモダシ(クリタケ)とナメラコ(ナメコ)、ブナシラダゲ(ブナシメジ)、そして、深まる里山の秋キノコの代表格コナラ(シモフリシメジ)です。
今日は、その中からムキタケ、クリタケ、ブナシメジ、ナメコをならべてみました。クリタケは広葉樹、針葉樹双方に発生する範囲の広い菌類で、写真のクリタケは毎年欠かさず倒れたカラマツに顔を出す株です。今年は今までにない立派な姿を見せてくれましたのではじめてカメラを向けました。
これらのキノコが顔を出す里山には、クマの絶好の冬眠穴も方々で見られます。写真の穴はミズナラの木が傾いたために根が土ごと持ち上がってできた穴で、おなじ「根穴」とはいっても木にできた穴ではなく床面も天井もほとんどが土の「土穴」です。
幹が傾いてその根元にできるこういう土穴はたいがい中は広いですから、出産子育てもしやすく、妊娠中の母グマがよく入ります。また今年2月頃に生まれだいぶ大きくなった2頭の子(ふるご・古子)を連れた母グマも母子3頭の越冬ができます。床面には落ち葉が敷かれたようになってふかふか。こんな穴が我が家のすぐ近くにもあるので、クマは深山だけでなく里山でもたやすく越冬できるのです。