里山の山菜本格シーズン入り

2月までは豪雪だったのに、3月に入ってからは例年に比べ降雪が極めて少なく気温高めの日々が続きました。おかげで4月末となったら雪解けがいっきに進みました。

そんな天候の影響をうけ、いずこでも観測史上もっとも早い桜の開花が告げられてきました。その影響は桜にとどまらず草木全般の芽吹きにも及んでいるようで、村の里山ではウドやホンナ、ゼンマイなど山菜の代表格たちが次々と採り頃をむかえています。

24日、そんな緑を帯びた家向いの里山を少しの時間歩きました。とくに山菜の芽出しが早いのは、雪解けの早い雪崩斜面や流水のそばです。芽を出すのがもっとも早い山菜の仲間コゴミはもちろんどこでも真っ盛り。斜面には、ほかにンド(ウド)、ジェンメ(ゼンマイ)、ホンナ、シロデホンナ(ソバナ)も採り頃で、アザミの茎も食べ頃となった株がいくつか見られます。

斜面全体の緑をもっとも広く支配しているのは今のところはハナウドで、それにコゴミや遅れて芽を出したサグ(エゾニュウ)、そして猛毒のトリカブトの緑も加わります。雪崩で落ちた雪の白さと野草の緑、そんな豪雪の土地固有の景色が集落すぐそばの春の里山にはいっぱいひろがります。

雪がいまいま解けたばかりの後に芽をだした猛毒のトリカブトは、陽のあたる時間をそれほど経ていないのでほかの野草と同じように雪解け直後はまだ緑色になりきらない新芽です。いかにも食べられそうな姿ですから、稀にシドゲ(シドケ・モミジガサ)と間違って食べられ食中毒などのニュースにもなります。

湧水の流れ脇に育つミズ(ウワバミソウ)も芽を出し始めています。

ヤマザクラ、新芽、川、残雪、小花(ヒトリシズカ、キクザクイチゲ)の景色を眺め、集落を見下ろしながらの山菜摘みは気分まことに爽快。冬の間おなかに溜めた脂肪も、この急斜面歩きとこれからの農作業でたちまちのうちに燃え尽きてしまうでしょう。過ぎた休日の食卓は、山菜の初ものオンパレードとなりました。