陳情の方々へ対応

春闘の時期ということもあってでしょうが、先に県労連などの方々から議会に届いていた陳情についてきのう役場への説明ご訪問があり、内容をお聞きしました。

陳情のみなさんは、地方と大都市部の最低賃金には時給で200円近くも差があるのに、生計費ではほとんど違いがないという現状を引き出した調査資料を前にして、最低賃金の改善必要を力説されました。

全労連という労働組合の全国組織がおこなった、全国の25歳単身者の生計費資産調査というのがその資料です。それによれば、秋田市は最低賃金額が2017年で738円、大阪府堺市はそれが909円、ところが、秋田市の月額最低生計費は約21万7千円で、堺市は約21万1千円という調査数字がはじきだされています。

「賃金には大きな格差があるのに、生計費はほとんど同じ」というのがこの調査にもとずく説明の論拠で「だから、最低賃金の差をなくして」が主張のようです。陳情の方々は、地方の賃金引き上げは中小企業経営者の方々への国による支援策があわせてとられることが必要と語り、とりわけ中小業者の社会保険料事業主負担への支援や税の減免支援策、そして大企業と中小企業間の地位の改善について法整備なども必要と語りました。

人がくらす上で指標のカナメとなる賃金。全体としての生計費が地方も大都市も同じならば、賃金の高い方へ労働力はむかう、これは必定でしょう。一極集中を止め、地方の創生を本気ではかるのであれば、賃金の改善はもちろん、地方中小企業への国による特別の支援策が必要でしょう。これは、人類が築きあげ到達している「資本の論理」を越えた、新しい資本主義の考えにもとずく国策がもとめられているということかもしれません。

参考のために、前記の調査資料を写真にして載せてみました。青年のみなさん、自分の現状と比べてみて、いかがですか。