減反しらべ

農業委員としては最後の参加となる水田農業に係る生産調整の現場確認をきのう行いました。昨年も同じでしたが、この確認作業であらためて気づく最近の特徴は、年々田んぼの耕作を止めて農業法人や個別の担い手農家と農地の貸借を結ぶ農家が増えていることです。

その原因には、全体としてのお米の価値の低下、高価過ぎる農機具や、苗、肥料、農薬など生産費の高止まり、そして農家世帯の高齢化と若者が給与所得を得るために兼業経営が難しくなっていること、などがあげられます。とくに民間企業に勤める兼業農家は、公務労働とちがい休日が少なく勤務体系もなかなかきびしいため、若者だけで「勤めながらの農業」ということはとてもむずかしい環境になっています。

先日の用水路の維持と同じで、とくに山村のくらしと農地をまもるためには、兼業という存在は世界のどんな国でも必要不可欠と当方は思うのですが、わが国の政策は「大規模・集約化」にどうも偏り過ぎる感があります。

▼日曜日のおととい午前、童たちが「川で泳ぎたい。魚やカエルを見たい」と突然の訪れです。薪切りをしながら、曇りがちの空を見上げ「このお天気具合でどうかなぁ?」とは思ったものの、作業後の10時過ぎ川へ向かったら「子供は水の子」、たちまちパンツ一枚になり淵にザブンで瀬に流れています。

コロロロロローンのカジカガエルの合唱を聴きながら、跳ねるカエルやカジカと戯れ、カゲロウか何かの幼虫らしい小さな虫をつかまえては「ほら、水がなければジッとしている虫が、水の中に入れると動いて光るよ!」と、こちらも知らない珍発見をして童たちはおもしろがります。

河原の砂場にはアリ地獄もあり、これも童たちの関心の的。近くにいるアリをつかまえては地獄に移して、砂の中からアリをつかまえるウスバカゲロウの幼虫の動きをながめます。「地獄の主」がどんな生きものなのか、掘り出して手のひらにのせ自然の学びもできました。

帰りには、熟し始めたカンゴ(クワ)の実も口に。果汁を顔につけ悪ふざけした昔を思い出し童たちに紫の汁を塗ったら、現代っ子たちもこれは愉快のようで、早速顔に塗りはじめ、はしゃいでいました。