わらび座の新作ミュージカル公演

雨天底冷えの15日。わらび座の新作ミュージカル「ジバング青春記」の初日公演にご案内をいただき、仙北市田沢湖町神代のわらび劇場へ妻と二人むかいました。

物語の内容や出演者などはミュージカル紹介のチラシを載せましたのでご覧になってください。11月末まで劇場での常打ち公演がおこなわれています。

市町村の学校体育館を借りての過ぎし公演当時など、このわらび劇場が建設される前後のわらび座を知るものの一人として、発展、前進を続けてきた座の姿、次々と創造性を発揮しての開拓者精神ともいうべき姿勢には敬意をはらいたいと思います。

座は、このように毎年大きな新作を発表し劇場公演等を行っています。今回の「ジパング青春記」をふくめ、座の作品には、弱者への慈しみ、傲る権威への批判と風刺、博愛、平和希求がテーマとして貫かれていると感じながら観劇しています。

経営体としても「人は何を求めているか、時代を先取りする感覚が鋭い」わらび座のこの姿勢と実績には、老舗から新規起業まで県内の企業体も学ぶべきところが多くあるように思われます。

ミュージカルを主とした本業の演劇においてはもちろん、子供たちの体験旅行をはじめとする観光部門の先駆性、地ビール醸造など食の部門までふくめて、地域資源を活用しながら経営体として発展している国内有数の劇団がわが秋田の県南にあるということは、なんとも頼もしいことです。

文化芸術活動から出発したわらび座が、土台の活動を軸にしてそれに連なる事業を多面展開しここまで人を惹きつけ感動をよぶ。法則にかなった人間の営みには力があるものです。

今回も「すぐれた生の芸術さ、たまに、触れでおがねばな」などと二人で語り合いながら帰路につきました。

▼所用でめぐった週末の村内。入道野頭地区からは残雪の白さがきわだつ鳥海山の頂上部がくっきり。村内の人里から鳥海山がのぞめるのはここだけ、ということは鳥海山の頂上に立てば入道の家々やたんぼが見えるということです。毎年記していますが、何十年前にか、山仲間とその頂上を二度訪れ、「あそこが入道」と、ながめた日々を思い出します。

村内は、チャワンバナコ(イチゲ花の仲間たち)が真っ最中。フクジュソウも花群落をどんどんひろげ、雪消の早いところではカタクリも見え始めました。野の草の緑も日を送るごとに増えつづけ、豪雪の里だからこそのまばゆい春がまた山間の村にやってきました。

気温が上ったきのうは、成瀬川がゴーゴー、この春いちばんの雪解け濁流となりました。