ヘギ(セキ・堰・水路)にも春が

春が来たことを知る自然の様子にはいろんな場面があります。豪雪の村に暮らしていれば、春の訪れを最初に感じとれるのは、雪消の早い水辺や陽当たりのよい斜面に芽を出す野草たちによってです。

常緑の野草で、庭園などにもよく植えられるセキショウが生えるヘギ(セキ、堰・水路)の水辺にも春が来ています。

村内のほとんどのヘギ(用水路)は大小を別にしてコンクリート側溝などが布設されていて、セキショウやクレソンなどの野草が生える所はごく限られています。

こちらが毎年ご紹介するこのセキショウのある水辺は、昔からのヘギが残されている貴重なうちの一つです。湧水のすぐそばに水路があるので、そこではその箇所だけ雪解けが早く進みます。

濃緑のセキショウのそばには、ノゼリ、バッケ(フキノトウ)、フクジュソウ、アザミなども芽生え、トットットットットッと流れる湧水の音とともに春の訪れを心地よく感じさせてくれます。

このヘギの下、泥の中に眠っているドジョウも、雪が解け陽が差し込みはじめたので、唱歌どじょっこふなっこのように「♪よるがあけたとおもうべな♪」と感じているでしょう。

ノゼリとバッケ、アザミを少し摘んで、初モノ早春の香りと味をテンプラと味噌汁でいただきました。