須川高原まで萌えあがる

過ぎた8日の日曜日、用水路の共同作業を終えて後に須川高原まで上がりました。その前々日もわずかの間高原に向かいましたが、その時はブナの芽吹きがはじまったばかり。

それから二日後のこの日には、ようやく標高千㍍を少し越すラインでも萌えが真っ盛り。高原の樹林帯は残雪にやわらかな緑が映える、いかにも豪雪の高原らしい春景色がひろがっていました。

高原もそしてそれより下方のいずこの林でも、今年のブナには花芽がいっぱい。この花に実がつけば久方ぶりで森はブナの実大豊作の年となるでしょう。今から、秋の季節に豊穣の森を喜ぶ生きものたちの姿を想像することができます。

この日は風がありやや肌寒でしたが、その風のおかげで鳥海山もくっきりとした山容をみせ、北の焼石連峰もよく見えました。

風当たりが強いので積雪が少ない小高い箇所は雪がなくなり、そこにはイワナシの花が真っ盛りでした。所々の遊歩道法面にはショウジョウバカマも花盛りです。

この季節は、登山道や散策歩道におかまいなく雪上を自由に歩けるので気分はまことに爽快。晴天が長持ちする日なら、毎年記しているように高原の2つの温泉に泊まりながらの雪上散策を、県内外のみなさん、諸外国のみなさんにお薦めしたいと思います。道路や温泉の見える範囲だけでも充分に楽しめますから。

露天風呂や客室からの雪景色と新緑のセット景色を眺めつつ、子供などご家族ごいっしょ、ご夫婦などでと存分に雪上散策も楽しめる、それが須川高原の最大魅力のひとつです。わが村の最大の宝は、高原の温泉とそこから眺められるこの雄大な自然景観そのものであることを、新しい春をむかえる毎に自然から諭されます。

こんなすばらしい景色がひろがる所へ、登山で歩かなくても車で簡単にゆけるのですからありがたいもの。残雪とブナの新緑、そしてタムシバとムラサキヤシオの花、みなさん、雪と新緑の須川高原へようこそお出でくださいませ。