貯蔵モノの味を楽しむ日々

冬の間、我が家の食卓から途切れないのはキノコや山菜たち。

みんな、塩蔵や乾燥、瓶詰めなどにされていたものです。山菜はほとんどが塩蔵で、圧倒的に多いのはサグ(エゾニュウ・シシウドの仲間)。サグは煮物やおでんの具としていちばん多くつかわれます。それに次ぐのはワラビで、ワラビは塩蔵だけでなく、近年はゼンマイと同じように乾燥モノの味覚を我が家は特に好んでいます。(写真は塩蔵モノのワラビ)

山菜の乾燥モノといえば、村ではやはり昔からゼンマイが味でも価値でもだんとつの人気一位。我が家も、たんぼの畦そばに植えたゼンマイだけで、一冬毎朝の味噌汁に入れてもだいじょうぶなほどたくわえられています。

キノコは、それぞれの種がもつ特徴や価値にあわせて貯蔵の方法を分けます。まずもっとも量の多い塩蔵モノの代表格はサモダシ(ナラタケ)とナメラコ(ナメコ)。それに次ぐのが各種ホウキタケの仲間で、ハナホウキモドキやウスムラサキホウキタケが主となります。いずれも、味噌汁や煮物につかいますが、サモダシは、伝統食の「納豆汁」には欠かすことのできぬキノコです。

ミャゴ(マイタケ)なども、老菌にちかい株は塩蔵となります。味噌漬けで重宝されるトビダゲ(トンビマイタケ)や珍味のノギウヂ(エゾハリタケ)も、味噌樽の中にたっぷりと漬け込まれています。

瓶詰めでは、山菜ならネマガリタケノコ、キノコなら上物のマイタケ、シシタゲ、オオヒメジ(ネズミヒメジともいう、ホンシメジ)、ハタケシメジ、コナラ(シモフリシメジ)、クリフウセンタケがならびます。(写真は、シシタケ、マイタケ、ハタケシメジ、クリフウセンタケ)

貯蔵モノ、とりわけ塩蔵モノがおいしく食べられるのは雪のある冬の間だけ。あとひと月も経てば、食卓の主役は徐々に山菜の新芽たちへと交代をはじめます。