葉ほげがなかなか上がらず

風の強かった9日午後、「ブナの葉ほげ(萌え)が1000㍍ラインまで上がったかな?」と、6日午後に訪れた須川高原へまた上がってみました。

途中の成瀬ダム工事現場周辺の北ノ俣沢や赤川、狐狼化沢周囲から国定公園入り口までのブナは先日と同じように萌え真っ盛りで、そこまではずうっと若葉の世界です。

しかし、それより標高を上げると3日間も経ったのに期待に反して萌えはそれほど進まず、ブナの森林限界となる林では、ごく一部の樹がやっと萌芽をはじめたばかり。雪上にブナの新緑が映える高原景色まではもう少しの日数が必要のようでした。今日あたりならブナのいっせい萌えは始まりだしたのかな?

林内には、不作といわれた昨年秋でも実をつけたブナが所々にあり、クマがそれらの幹を探して樹上で枝を折りながら実を食べたクマ棚の跡が見られます。雪上には実をつつんだ殻の粒々が落ちています。なので、不作のなかでも実をつけた、クマたちにとってありがたい幹は一目で見分けがつきます。萌えが進んだ里山のブナを見れば、今年は昨年よりもさらに実が不作と思われます。こういう食べ跡や落ちた殻の様子を来春は見られないかも。

雪上の新緑のブナはご紹介できませんが、3日の間をおいた高原の様子をまた載せておきます。遠望の嶺は栗駒の北に隣り合わせる同じ国定公園内の焼石連峰です。

▼10日夕方には田んぼへ初の水入れをしました。1回目の代掻きをして畦塗りをするための段取りです。水の入った田んぼを見ると、「さあ、今年もコメ作りの始まりだ!」と、心にちょっとの気合いが入ります。

里山の萌えはほぼ進み終わり、山全体は色とりどりの新しい衣へと着せ替えを終えました。この頃になれば、自宅周りではササゴと呼ぶ細いネマガリタケノコが真っ盛りとなります。わが食卓は、タケノコ、アザミ、ウド、コゴミ、ホンナ、シドケ、ウルイ、ワサビ等々、家周りの散策がてらに採れる山菜食の日々が続きます。化成肥料ゼロ、農薬ゼロで育つ山の菜がこんなに豊かに食べられるのですから、春の山村暮らしはうれしいものです。