魚焼き串に最適の荻(おぎ)

茅(かや)や葦(あし)は我々が日頃よく目にする背高のっぽの草。実はそれらと同じ仲間に荻(おぎ)という名の草があることをご存知でしょうか。

茅と葦の違いなら、花穂や茎、葉っぱの姿にちがいがあるのですぐに区別がつきますが、茅と荻の区別はよほど気をつけないと区別がすぐにはつかないもの。

荻は茅ととともに、屋根の葺き草として昔から利用され、あわせて魚を焼く時の串用にも重宝されたといいます。

竹串とちがって草ですから削るに楽な荻。それなのに茎がほどよく充実している荻は焼き串に最適の材のようで、焼きイワナをつくるTさんは、毎年初冬をむかえれば荻取りに向かいます。

茅や葦のような荻の大群落は村内ではあまり見られないようで、写真の狭い群生地は、貴重なうちの一箇所となっています。