童たちといっしょの焼石岳登山(その1)

童たちといっしょのご来光登山かなわず、代わりとして急きょ計画したお盆13日の焼石岳登山。

一行は山仲間のAさんとそのお子さん達(中学女生徒と小6男子)、わが娘とその子(小6男子)の計6人。日帰り登山は焼石林道終点の駐車場から6時頃に歩き始めを開始。駐車場には秋田ナンバーの車がすでに2台あり、これから登ろうと準備をしているらしい単独登山の男性の方々がいる。二人とも後に我々を追い越して行ったが、お一人は「大館から来た。焼石は初めて」と語られた。

前日にやや激しいにわか雨があり、朝方までは時々弱い降雨もあったので川の水量をやや心配した。予報は午後には晴れを告げていたので気分的には安心をもって登るが、山中はどこまでも霧で真っ白。歩き始めには少しの雨粒も体にあたる。でも雨具をつけるほどではない。

3回の川越はあるが心配したほどの流量ではなく、全員長靴装備なので渡れる石を選んだりジャブジャブと川に入って難なく渡れた。ただしかし、前日の降雨は別にして今の季節に通常時でもこれほど流量の多い川は、やはり雨続きの今年だからこその特徴だろう。水の多さは登る途中のいずこでもみられた。

途中には、クマがアリでも食べようとしてだろう倒木を起こした跡や、ミズバショウの茎を倒した跡も随所に。手が届くところに垂れ下がったブナの枝に実がたくさん着いている様子も見られた。隔年結実のブナ、今年は実の豊作年ではないが、なかにはこういう例外の幹もある。単純ではない自然の奥深さを知る一風景だ。

県境付近の秋田側にはクマの生息調査用だろうか、自動撮影の監視カメラらしい機器が登山道の木の幹に設置されていた。生きものだけでなくすべての登山者の姿も撮影されるとすればあまりいい気分はしないものだ。

一つ目の関門8合目到着は8時40分。タゲ(焼石)のすゞ(湧き水)で喉をうるおし、「帰りに」と、旬のモモを水溜の木枠に冷やし沼でまずはひと休み。

依然として霧が濃く、沼は目先の岸辺わずかが見えるだけ。西風も強い。童たちに楽しませようとした草原の群生エゾノクサイチゴは、おいしい実がほとんど熟れどきを過ぎていた。