野イチゴ熟れる

田植えからほぼ一月も経つと、水稲は生長の勢いを増し株も増えます。そうなると、田んぼはだんだんと水面が見えにくくなり緑がいっそう深くなります。

稲作農家は、穂が出そろい傾き始める8月の田んぼもめんこい(可愛い)ですが、同じように、株が勢いを増してくる梅雨入りの頃からの深緑の田んぼもめんこく(可愛く)なるものです。

ちょうどその田んぼがめんこくなりはじめる夏至の頃に熟れるのがモミジイチゴです。里山の木イチゴのなかでもっとも早く熟れるのがモミジイチゴ。我が家田んぼわきの道沿いにはイチゴの木がならんであり、どことなく気品のある甘~い実がいっぱい熟れ始めています。今年は花の着きが多かったので実も多く生るだろうと期待した通りで、ここ数年の間では最も多くの稔りとなっています。

イチゴのそばではアザミの花も咲き始め、ナルコユリの仲間も可愛い花を連なりで咲かせ、クワの実も熟れ出しています。これからは、亜高山帯のエシャガエヂゴ(胆沢川イチゴ・ノウゴウイチゴのこと)が熟れ、続いてやはり亜高山帯のエゾノクサイチゴ、深山のクマイチゴ、里のバライチゴ(ナワシロイチゴ)、モヂエヂゴ(餅イチゴ・エビカライチゴのこと)と、野でも草木の実の熟し続ける季節入りです。