過ぎた2日の日曜日。県猟友会の「鳥獣管理担い手育成事業」の現地実習と鳥獣の解体や巻き狩りの講習が、村内を会場にして行われました。
講習の参加対象者は狩猟免許を所持してから5年未満の猟友会員。ノウサギ巻き狩りや獣の解体を体験・実習し、巻き狩りの方法などについて室内でも講習を行ったものです。
東成瀬村を会場にした講習では、湯沢雄勝と横手平鹿の猟歴の浅い担い手会員のみなさんが10数人参加。総動員となった村の猟友会員たちとともに大柳地区での二回の巻き狩りやノウサギの解体講習が行われました。
後に行われた室内講習では、村の猟友会が協力し教育委員会がABS秋田放送に委託してつくった巻き狩りなどのDVD視聴もなされました。
この日の巻き狩りではノウサギの猟果はなかったようで、前日に捕獲していたノウサギで解体実習がおこなわれたようです。
▼ところで、日本の野生鳥獣類については、その生息数の推移が全国的な関心をあつめています。よく話題になる特徴的なことは、イノシシ、シカ、サルの生息数増。とくにシカとイノシシについてはこれまで長年棲息が途絶えていた北東北日本海側での確認頭数が増えていることです。秋田では県南の湯沢雄勝と横手平鹿でイノシシの棲息確認が急増。加えて、東北ではクマの棲息増も特徴的です。
それら棲息増の種があるなかで、逆に数を極端に減らしているのはノウサギです。生息数減の主原因が何かはわかりませんが「狩猟者も激減、狩猟者が長年入らない山でもノウサギは増えない。不思議だ?」と言われてからもう30年近くにはなるでしょう。生息数減の原因についての風評や諸論はいろいろ発せられます。しかし、科学的な根拠をもつ説はこちらも聞いたことがありません。こういう分野は研究者も研究体制もおそらく極めて少ないからなのでしょう。
ノウサギの激減は、食物連鎖の環をつくる野の生きものたちに大きな影響を与えているはずです。地上でその影響の大きいのは、ノウサギを主要な獲物としてきたキツネやテン。鳥では、とくに厳冬の環境で長年ノウサギを大切な捕獲物としてきた絶滅危惧種のイヌワシとクマタカは、とりわけ大きな影響をうけているはずです。
▼こんなことを記していたきのうの朝、岩井川集落下の庚申塔付近で、道脇にキツネが横たわっていました。夜に車にはねられたと思われる死体です。たっぷりの栄養をとっていたらしく、骨太で毛並みも体つきも立派な個体でした。我が家にもありますが、むかしなら、テンとともに競って襟巻き用などに重用されたキツネの毛皮。ですが、今は、食が細くなってきたカラスなどの餌食となるだけ。この骸もたちまちのうちに土に還るでしょう。