主な冬支度をようやく終える

きのう、主な冬支度のうちまだ手をかけていなかった「エドカギ」(井戸掻き・池の泥上げ)にとりかかりました。

お天気はあいにくの雨降り。でも時ならぬ生温かな東南の風で寒くもなく、どうせ晴れでも雨合羽を着て行う作業なので「雨天でもだいじょうぶ」と決行です。

きのうはちょうど日曜。ここ何年か手伝いのできなかった童たちもたまたま駆けつけていて、めずらしく大勢でのエドカギとなりました。雪消し用として掘られた二つのエド(井戸・池)の泥をあげるのですが、妻と二人でのいつものような黙々の作業ではなく、童たちのおかげで歓声があがるにぎやかで楽しい雨の日となりました。

昔なら初冬の風物詩ともいえたエドカギ。エドに放している魚を捕れることから昔の児たちにとってこの日はほんとうに楽しかったもの。それは今の童たちもおなじようです。

昔の大人達は、放していた鯉の生長ぶりを目にし、うぐい、かじか、どじょう、すなめろ(スナヤツメ)、岩魚などを捕り、夕餉にはそれらの一部を焼いたり煮たり刺身で食べました。子どもたちと同じように、捕る、食べられるのエドカギは、きっと大人たちの心も少し躍る作業だったはずです。「捕る。獲る。穫る。」というのは生きものとしての本能であり、それは時代が変わっても、あるいは大人も子どももおなじでしょうからね。

昔、エドカギの日の「夕餉」などは、いつもよりお料理やお酒の量がやや多くなり、ちょっとした宴となった家も少なくなかったでしょう。鯉、どじょう、すなめろは、数日の間冷水を注ぐ桶などに泳がせて泥を吐かせた後に調理され、しばらくの間ごちそうにもなれました。

きのうで我が家の主な冬支度はやっと終わり。あとは残していた作業小屋の冬囲いを済ませれば、安心して根雪の季節をむかえることができます。

▼初雪が積っていた家の周りでは、散策がてらの「冬のキノコ狩り」もまだ楽しめます。

ユギノシタキノゴ(雪の下キノコ・エノキタケ)はもちろんのこと、ブナの枯れ木にはナメコ、ムギダゲ(ムキタケ)、それにめずらしく晩生のカノガ(ブナハリタケ)も発生していました。

湧水の流れに育つクレソンも、冬になってまわりの草木が落葉したら緑のあざやかさが引き立つようになりました。

▼22日は村の農業法人など合同の収穫祭へ。夕方まで行事のあることをすっかり忘れていて、電話をいただきました。少し遅れての参加、大変失礼いたしました。