ただものでないカラスの賢さを知る季節

村農業再生協議会の総会がきのう開かれました。平成31年(2019年)の米作付け面積と生産数量の目安を決めるのが主な目的の集まりで、それぞれ221㌶、1166㌧の生産目安数値を確認し合いました。

米の生産では、昨年から減反(転作)の目標数値がなくなり自由に作れる環境となりました。それにともない、減反政策時よりも主食用のお米生産を増やす結果となったのが秋田県などや県内市町村。目安の数字は昨年よりも若干減となっていますが、果たして今年の作付け動向はどうなるか、主食生産を市場経済にゆだねたもとでは、需給に連動する米価の行く末が何よりも気にかかります。

農業委員会の新年会もきのう開かれ出席。国連が今年から10年間とくに重視している家族農業の大切さ、専業だけでなく兼業農家の存在も山村農業をささえる柱であることにふれごあいさつを一言のべました。農業委員会はともに活動していた方々が多く、古巣にもどった気分で久しぶりに農政と農作業技術など農業談話のひとときを過ごしました。

▼役場で所用を済ませての帰り、国道の真ん中にカラスがいて、何かをくわえながら飛び立ち雪の上に飛び降りました。

よく見たら、咥えていたのはクルミ。道路に落としておき、通る車のタイヤで実を割らせて中身を食べるという、ごく普通に見られる姿です。その仕草を見ただけでも、「カラスとは、なんて賢い鳥なんだろう」と思います。

実は、私がその賢さに感心するのはそれだけではありません。1㍍~2㍍、時には3㍍にも達する豪雪の人里で、「カラスは、いったい、このクルミを、どこから取り出してくるのか」ということです。

考えられるのは、リスやネズミのように雪が積もる前にクルミをどこかに貯えておいて、食の最も欠く季節に掘り出して食べているのではないかということです。

その賢さにたまげてしまうのはまだ続きます。村の冬は、クルミの木の下も含めまわりはほとんどすべてが厚い雪。貯えのクルミを取り出すには、厚い雪が積もっていない場所でないとできません。もし貯えているのだとしたら、雪の積もらない場所を選んでいることになり、カラスの賢さに向ける私の想像はさらにふくらみます。

貯えないで、たまたま急斜面にあるクルミの木の下など雪の少ない場所から拾ってきたのかもしれません。それにしては、路上のクルミ割り姿があまりにも頻繁に目に入るカラス。豪雪最中に、クルミをどこから咥えてくるのか、おたずねしたいものですね。「カラスさん、あの、クルミは、どこから咥えてくるの?」と。