山の主のような大マッカ(大カモシカ)

所用を果たした後にもお天気がよかった週末。金曜日の午後2時過ぎ、裏山へ2時間ほど入りました。

この冬はじめてのカンジキ履きでの雪上歩きです。雪が湿っていたのでそれほど足が沈まないだろうと思ったものの、カンジキをつけていてもズホッ、ズホッと膝近くまで足が雪に沈みます。湿っていても新雪でまだ底が固まっていないためでした。きのうまでの雨で、その雪もだいぶ締まりましたから、これからは遠出の単独雪山歩きもできるでしょう。

汗をかきながら、いつもめざすコースの半分ほどまでやっと上がりこの日は引き返しです。
帰り途中、尾根にいる大きなマッカ(アオシシとも呼ぶ、カモシカのこと)が目に入りました。マッカは朝から食事をして、胃袋に詰め込んだ食べ物を反すうしながらゆっくり座って休んでいたらしく、こちらを先に見つけて立ち上がりました。座っていた跡は雪が沈み固まっていてすぐにわかります。

冬の毛皮に替わった体はとってもあたたかそうで、体全体がふっくらと膨らんで見えます。子牛ほどの大きさに見えますから成長しきったオスでしょうか。顔のまわりの白く輝くヒゲ状の毛など森の翁のようで、なかなかの風格を漂わせる格好とお見受けしました。

近づくと、こんなに大きな体なのに、雪上に腹がつくほど足をぬからせながらも疾風のように林を走り下り、たちまち見えなくなってしまいました。野に生きるものたちの底知れぬ力を感ずるのはこういうときです。足のぬかる雪上を、蹄をもつ種ながらこれだけ大きな体でこれだけ早く走れるのはカモシカだけかな。ジングルベルのトナカイはどうかな。

同じウシ目でもシカやイノシシに雪深い野を駈けるような真似はできませんから、豪雪の土地では彼らは簡単に狩られてしまい村からは長い間絶えたのです。最近は、また、雪の少ない地方からじわりじわりと日本海側へ、そして豪雪の村にもシカとイノシシが生息域をひろげています。今年も村をふくむ県内各地で発見情報がたびたび寄せられましたが、以上のような理由で豪雪の村で彼らが生き抜くのはなかなかむずかしいでしょう。

▼3連休に今冬はじめての屋根の雪下ろしが各地で見られた村内。すでに一回目の雪下ろしを済ませていた我が家は、その後に積もった雪が雨で重くなり、「予想される年末寒波の前に下ろしていた方が得策」と、また屋根に上がりました。

案の定、屋根の雪は重く水分をたっぷり含んでいました。そのままにしておいて新雪が積もったら、積雪の上下で、湿った雪と軽い雪の質の違う層ができて、スノーダンプに雪がこびりつき作業がしにくくて大変だったでしょう。

▼年末の空に満月が輝き、まわりが雪なので灯りなしでも遠くが見えるほどの明るい夜となりました。こんな雪の月夜に野山を歩いたら、いろんな動物たちと会えるでしょうね。