半年ぶりにユギノシタキノゴ

キャンジギ(カンジキ)を履かなくても雪原を歩けるようになって久しい堅雪の村となりました。

こちらが子供の頃から、野山や川辺の散策(堅雪渡り)が自由にできる残雪の4月は、一年の中でも最も心がおどる季節のひとつでした。

残雪のある野山は道なしでも雪上をどこにでも向かえますから、子供たちの行動範囲がとっても広かったのです。

堅雪渡りでバッケやセリを摘み、男女児混じり合いで若草を献立にままごとをしたり、柴木を切って釣り糸を結わえイワナ釣りをしたり、同じように柴木で木刀をつくり「真空切りの赤胴鈴の助」だ、「月形半平太」だ、「月形龍之介」だ、「東千代助」だなどと正義の味方の名乗り争いをしてチャンバラをしたのもこの季節です。悪者役はできればなりたくなかったので、たいがいは正義の味方同士の「戦い」です。

毎年今の季節になると、そんな子供の時を思いながら川辺を散策。今は半年ぶりに顔を出している黄金色のユギノシタキノゴ(雪の下キノコ・エノキタケ)との出会いを楽しみ始めています。

このキノコは初冬と早春に発生。冬と春、いずれの季節にも我が家の味噌汁の具として、旬の香りと味覚を伝えてくれるありがたい菌類です。