仙台キノコ同好会のみなさんご来村

6日~7日と仙台キノコ同好会のみなさん36名が一泊研修で来村され、そのちょっとした世話役をほぼ2日間させていただきました。

同会は、今年創立50周年の記念祝賀行事を行ったほどの伝統をもち、名前は同好会というものの、キノコ研究の世界では名前を知られた人々も多い組織です。毎年秋、仙台市内科学館で行われる規模の大きな「きのこ展」は、同会のみなさんの主体によるもの。テレビでもよく報道されますから、視聴された方もおられると思います。

研修会は、山でキノコを採取し、食毒含めて数多くの個体を鑑定し名前を確認し合うもの。今回の研修会場は奥羽山脈のブナとミズナラの原生林が一箇所、もう一箇所は村の里山。村に宿泊されての研修会はおよそ20年ぶりのことです。この日のために、今年は春と夏の二回、事前の現場視察に会のみなさんが訪れていて、その際もご案内をしておりました。

一日目の6日は、研修材料採取場所へのご案内のために胆沢ダム展望所で朝の待ち合わせに向かい、奥羽山脈の比較的平坦で安全な採取地へ向かいました。同会では福島原発事故後のキノコの放射能調査も続けており、夏にご案内して現場下見した時に採取したキノコの検査結果(大学の研究者による)の資料も見せていただきました。今回は、それに続くおなじ場所での秋の本格採取研修です。

二日目の7日は村の里山です。両日ともはじめは台風25号の県内直撃も予想され「大変な天候の時の研修会になる。場合によっては中止も考えられる」と思いましたが、6日はかろうじて台風まだ到達せずで、我が家そばの国道の温度計が31度を超えるほどの暑さ。南風とフェーン現象による影響と報道されました。7日午前も、風はやや強かったものの雨具なしで採取でき、台風の下でもとっても幸運ななかで研修を行うことができました。

一日目採取後の昼食休憩は、紅・黄葉のはじまった合居川渓谷天正の滝でとっていただき、「鑑定会」は宿泊地のホテルブランで。二日目の鑑定会は予想された雨風をしのぐため採取地に近い交流センター「ゆるるん」の玄関とロビーにし、その場で昼食もしていただきました。

ちょうど今は、深山も、里山も、知られたキノコの多くは端境期。この時期によく食べられるキノコのサモダシ(ナラタケ)やミャゴ(マイタケ)、カノガ(ブナハリタケ)、オオヒメジ(ホンシメジ)、シシタゲ(コウタケ)、クリカラモダシ(クリフウセンタケ)、ラグヨウ(ハナイグチ)、アミッコ(アミタケ)シトリテデ(ウラベニホテイシメジ)などはちょうど盛りを過ぎた頃。

それらの後にこれからとくに多く出てくるナメラコ(ナメコ)やムギダゲ(ムキタケ)、コナラ(シモフリシメジ)、ヤマドリモダシ(クリタケ)など、晩秋から初冬にかけてのキノコたちはまだ早し。今年は残念ながら食べられるキノコが「ほとんど何もない時期」という日の研修となってしまいました。

それでも、30数名のみなさんが採取したキノコの種類数の多さは相当なもの。こちらではほとんど食べないキノコも「これは、とってもおいしい」などや、すぐには鑑定が決まらず、傘や茎の特徴、ヒダの形、臭いをかいだり、時には噛んだりなど人間のあらゆる感覚と蓄えられた知見を総動員して次から次へとキノコに名札がつけられました。これには思わず感心してしまいました。

 

 

 

 

 

 

どんなことでも、その道の通ということがあります。同会のみなさんの行動力と知識の豊富さ、それに何よりも愉快に楽しんで研修されているお姿を目にし、「世の中って、いろんな方々がおられるものだなァ」と、またひとつ勉強になりました。研修には、母親と参加された小学3年生の男の子もおり、素早く採取したキノコを手にして「きのこ博士」なみに名前をどんどん言い当ててもおりました。こういう姿って、うれしいものですね。

同好会のみなさん、いたらぬご案内でしたが、村においでいただきありがとうございました。懇親会でもお聞きしましたが、みなさんの一定数の方々は栗駒山荘をご利用されてもいるようですし、湯沢雄勝、横手平鹿管内の観光にもお出でいただいているようです。ご家族やご友人のみなさんごいっしょに、ひきつづき村や県南にお越しいただけるようお願いしながら、私からのお礼の一言とさせていただきます。ご来村、ほんとうにありがとうございました。

また、放射能調査の資料もお届けいただきまして、厚くお礼申し上げます。今年9月1日に同会のみなさんが採取した奥州市胆沢川流域大荒沢周辺のキノコ5品種の調査では、福島原発事故の影響とみられるセシウム-137とセシウム134の濃度が高い個体もあり、生重量(Bq /㎏)が100ベクレルを大きくこえ、セシウム-137が218.7という放射能高濃度のキノコがありました。秋田側のキノコ6種についての調査では、すべて濃度は低く、まったく問題のない数値がしめされています。

▼きのうはお米の籾すり作業を終え、コンバインも掃除。今年の収穫作業の大半を終えました。

お米の粒の良さは並以上で、もちろんカメムシ被害もありませんが、予想したように収穫量は平年より落ち、出荷予定数量を確保することができませんでした。我が家はそうですが、全体としてはどうか、村の刈り取り作業もいよいよ大詰めですのでまもなく暫定の結果がしめされるでしょう。