やや一安心で御用納め

雪があることを前提で成り立っている北日本日本海側内陸部の村ですから、きのう、おとといの寒波が来なければ、「さあ、雪がなくて、大変」というままで大晦日をむかえるところでした。

それだけに、今回の寒波は村にとってはめずらしく「大歓迎」もの。所用でかけまわった金曜日の雪のほとんどない村、飼い猫が外遊びできるほどに薄く雪の積もった翌土曜日の村から、一転してきのうの国道設置温度計はいきなり-7℃。「おっ、村の冬らしぐなったな」と、厳しい雪国に暮らしていることを朝の除雪作業でやっと感じることができました。世界有数の豪雪の村は、やっぱりこうでないとはじまりません。今朝もごらんのような本格的雪降り。この後も雪マークが続く予報ですから、「雪でもつ村 」も、まずまずの安心で年を越せそうです。わずか3日間で大変化した村の様子を記録しておきました。

CIMG1691-1CIMG1693-1CIMG1695-1金曜日までは、積雪がほとんど解けて林の地面が露出、降雨続きや雪解け水で沢や川の水量も多いだけに、用水路に入る落ち葉や小枝などのゴミが多く、生活用水や流雪溝水路の取水管理が今年はなかなかめんどうです。

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CIMG1700-1CIMG1702-1土曜日、そのゴミ除去に童と沢に入り、エベロ(オオウバユリ)の球根を畑の土手から少々堀り採ってみました。花の咲いた最後の茎株につく球根はいったいどれほどの大きさか確かめるためです。晩秋から初冬が堀り時のヤマユリ球根とちがって、オオウバユリは春早くが堀り適期といわれます。

なぜなら、ヤマユリと違って数年間かけてはじめて花を、それも一度だけ咲かせるオオウバユリ。花の咲いた茎につく球根は使命を終え、その根から分かれて出来た新しい小さな球根や、種から育った球根がまた何年もかけて大きく成長し花を咲かせるからだそうです。

成長しきって花の咲いた後の秋の球根はしたがって最も小さな球根(写真)。いちばん大きな球根をほしければ最も成長して初夏に花を咲かせる前の春株を、あるいは成長途上の春の球根を採る、その季節は新芽を出す雪消えの初春がいちばんということになります。

私は、何年かに一度、この球根を春にいっぱい採ってきてヤマユリのように煮てたべていたものです。ヤマユリのようなうま味はありません。でもわが国にはこの球根のもっと高度な活用が伝わった地方もあり、良質のデンプンがこの根から採れることから、歴史上は「救荒」としてもあつかわれた人の命をつなぐ大切な植物のひとつといいます。どんなデンプンなのか、いつかそれも味わってみたいものです。

CIMG1710-1CIMG1712-1CIMG1713-1CIMG1714-1CIMG1716-1CIMG1711-1▼今日で早仕事納め。役場前では、お餅やお正月用品を特売の恒例「年の瀬朝市」が開かれ、加工研究会の母さん方手づくりの甘酒も振る舞われていました。1年間、つたない発信を受け止めていただいたことに感謝を申し上げます。よい新年をお迎えください。

今年最後の会議も晴れ空の下で締め

なんと、二日つづけてこんな日和がくるとは。昨日は前日よりもさらに見事な晴れの日となりました。21日~23日まで年末の夏日が3日も続いた沖縄、24年ぶりという「冬の夏日」でテレビに映る道行く人々は半袖姿でした。こちら雪国も沖縄ほどではありませんが、たんぼの土と稲株が見え、山肌もほんの一皮、まだら模様の積雪だけ、わが家の土手にもたんぽぽがまだ咲き、岩井川の観測点でも積雪ゼロ㌢。今朝も今度は雨で、観測積雪ゼロ㌢、白い世界はさらに少なくなっています。

「今年はほんとにおかしな年」と思いながら、村の積雪情報を見たらそうでもなし。平成18年は12月28日で田子内積雪ゼロ、平成20年の12月25日に岩井川で積雪ゼロを記録しています。忘れていますが、もっと遠い昔も含めれば、雪少なしの12月、1月はじめというのはあるのです。さて、雪除けではひと月近く楽をさせてもらいましたから、これからは、午後から週末のほどよい積雪に「期待、望み」をかけたいというところです。

CIMG1642-1CIMG1643-1CIMG1646-1CIMG1648-1CIMG1649-1CIMG1655-1CIMG1675-1CIMG1641-1写真は、滝ノ沢、田子内、岩井川と、雪のない昨日のたんぼ景色、それに、滝ノ沢大日向山のブナ林です。実は、20日、柳沢方面で2頭のクマの足跡があるのを門松採りの方が発見したそうです。ここ大日向にはクマの冬眠穴がいくつかあります。もしかしたら、今年は、まだブナの実を食べつづけているかもしれません。なにしろここは名の通りの日向、穴のまわりにはわずかの雪しかありませんから。

CIMG1661-1CIMG1670-1CIMG1683-1CIMG1688-1極端に雪の少ない師走24日ということで、成瀬川、そして、広域の議会で湯沢市へむかう時に岩崎や沖鶴方面からながめた焼石連峰と鳥海山の遠望も記録しておきました。

▼広域市町村圏組合議会の12月定例議会がきのう開会。

案件は、1.マイナンバー関連の条例改正、2.皆瀬更生園、老人ホーム愛宕荘、老人福祉センター(稲川の緑風荘)3施設の指定管理者の指定を平成33年3月末までの5年間とする案、3.一般会計補正予算案で、全員協議会での説明を経て本会議が開かれ、すべて可決されました。

1時半からは全員協議会が開かれました。議会日の当日朝に湯沢市高松で発生し、2人が亡くなられた火災についても状況説明がありました。

今年の管内、5月1日の湯沢市における火災での一家7人の死亡惨事をふくめ火災によって11人が亡くなられています。また、10月には湯沢市の高松地区で急傾斜地での油圧ショベルの転落による事故も発生、この日の火災もふくめ消防分野では、なんとも悲惨な現場への出動が重なっています。

亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、同じような災害、事故がおきないよう、とくにこれから本番をむかえる厳冬期、火災には気をつけあわなければと痛感しました。

青空の下、松むかえ

雪の少ないうちのこんな晴れの日、今年はもう来ないだろうと先に記していての昨日。たった半日でしたが、自然はうれしい陽射しを雪国の人々にプレゼントして下さいました。

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この日はちょうど童も休み。週末からは雪だるまマークがずらりとならびましたから、今度こそ「休日では今年最後の晴天かも。外でお日様を拝んでおこう!」と、家のまわりを散策。

 

薄く残っている雪がようやく笹やススキなどを押さえつけています。それでいてまだカンジキを履くほどの雪深さではなく、川原は比較的歩きやすし。

ふだんの年ならとっくに雪で隠されているユギノシタキノゴ(エノキタケ)をいただいたり、この年末にこんな遊びなどできない石投げ(童は「石のトビウオ」と名付けている)を何度も何度も繰り返したり、湧水脇では立ち止まってノゼリを少し摘んだりと、貴重な晴れ日の2時間ほどを存分に楽しみました。

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この日は「二人で、正月の松むげぇ」る、というもう一つの目的があってそちらへ直行。

CIMG1621-1松は樹齢20年ほどになるでしょうか、こちらが山取り苗木を植えたキタゴヨウマツ。成木となれば樹高30㍍近く、根元の太さ1㍍ほどになる豪雪地方・深山渓谷の「山の神」のような銘木です。

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わがお相手の樹はまだ若木。でも門松用ぐらいならたっぷりと採れるほどの型良い枝振りになっていて、もう山に行かなくても家のそばで松を迎えることができます。

 

 

童にとってははじめての門松採り。この松が、鋸を手にしている童が20歳になれば樹齢は30年と少し、私が健康寿命でいられるのはその少し先あたりまででしょうか。こちらと同じ齢の65歳ほどに童がなった時は樹齢80年近く、さらに100年、200年と重ねて幹周り1㍍、高さ30㍍ほどの大木となったとき、それぞれの節目で、わが家、わが集落、わが村はどんな姿に変わっているのか。松は成長とともに、どんな歴史を見下ろしつづけることになるのでしょうか。

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▼今朝もおだやかで朝から青空が見えます。「雪がなくて助かる」という方がいれば「んだすな」という言葉を交わし合い、スキー場や、除雪作業など、雪がなければ仕事が成りたたない方々と会えば「雪降らねで、こまったもんだ」の言葉が交わされます。雪のことでは「降らないでえがった、こまったを、相手の立場を見てさべらねばならねぐなった」と語ってくれた方がいました。そんな心複雑な日々が続くのは今日あたりまででしょうか。

豪雪地帯のりんごは宝物

CIMG1581-1黄色いこのりんごは親戚筋からいただいた「はるか」という名のりんご。無袋栽培がほとんどのりんご栽培のなか、この「はるか」は袋をかけて栽培され、糖度が高いことで名が通る岩手県でつくられた新品種だそうです。袋かけもふくめ手数がかかり、糖度も高いからということなのか、首都圏などの店頭では1個でお札1枚ということもあるようですが、ほんとうでしょうか。

早速いただきましたが、うん、なかなかおいしいりんごです。宮内庁に献上された品種のうちのひとつということもお聞きしました。はじめて口にするめずらしいりんごだったので、記録しておきました。

CIMG1600-1平鹿地方のりんご農家はまだ出荷作業が続いているのでしょうか。親戚にりんご農家の多いわが家には、雪国の産地が誇るりんごが木箱で毎年いっぱい贈られてきます。

豪雪地帯の果樹農家は、われわれ門外の者がみても、ほぼ年中、雪、霜、雹、大風、鳥獣の害を防ぎ、心配する日々が続き、せん定、花摘み、消毒、摘果、葉取り、玉回し、色づけ、収穫と、栽培作業も大変な苦労があるように思われます。

ですから、「あんなに手数をかけてつくられた宝物のような食べ物を、こんなにいただいて」と、ありがたさとともに申し訳なさをこちらはいつも抱いてしまいます。おそらく、安心・安全、品質、味では世界でだんトツ最高クラスのりんごだろうと思うからなおさらです。おかげで、また春まで毎日たっぷり食べられるりんごが蓄えられました。

▼今年最後の農業委員会総会がきのう開かれました。その前には、用途変更申し出を内容とする農業振興地域整備促進協議会も開催。

総会の主な案件は、農地中間管理機構関連の利用集積計画で、今回も約18㌶の農地が管理機構を経て村の法人組織や認定農家などに集積されるはこびです。

会議終了後の夜には、もちろん、忘年会。やっぱり、12月はそうとうに忘れ案配の多い月のようです。

忘年会

CIMG1579-1この冬にトラクター除雪をしたのは土曜日まででまだ3回。今回のまとまった雪でもう林道に車は入れなくなっていますが、雪とむきあうということでは昨日も今朝も対戦相手はなし、相変わらず気も体も楽な冬が続いています。

CIMG1586-1ただ、こまったのはスキー場。もうひと降りが来なければリフトは動かせない様子。自家用水道の取水具合をみながら裏の沢に上がったら、スキー場メインのリフトはまだ休止状態です。こちらが歩いた道の雪の深さは40㌢ほどで、カンジキなしで歩けるぎりぎり境目の積雪あんばい。なるほどこの程度の雪ではゲレンデ整備はムリのようです。

きのうは、部落の役員会と忘年会がありました。そういう日々をみている妻は「そうとう、忘れだんべへぇ(忘れたでしょう)」と意味のある一言を投げかけてきます。

忘年会は、「その年の苦労を忘れるために、年末に催す宴会(広辞苑)」と意味づけられる立派な日本語ですが、裏返せば、苦労がなければ成り立たない「会」ともいえますし(苦労のない方などいないでしょうが)、もう少しひねれば逆に「苦労を忘れるでなく、その苦労をよく頭と胸にしみこませ、来る年にいかす、苦労を忘れないための会」ともいえます。新しいことに挑戦すれば苦労はつきものですから、忘年会は、革新者、改革者、挑戦者たちに最もふさわしい会ともいえます。

世に苦労や失敗に連なる処世訓はいっぱいありますが、新しいことに次々と挑戦した人物のうちの一人で苦労人の象徴とされ「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し」、「勝ち戦よりも負けた戦(失敗)を常に忘れない」というおしえで名のとおる家康は、忘年会らしきものをやったのでしょうか、催したとすればどんな心境で年の末の盃を家臣たちと交わしたのでしょうか。などということをちらりと思いながら、この後も、会議や忘年会と、公しごとでは一年の締めくくりの週へいよいよ入ります。

釣ったハタハタをいただく

24日に湯沢雄勝広域市町村圏組合議会の12月定例議会が開かれます。きのうはそのための提出予定議案の説明などを担当課長さん方からうけました。

今冬3度目となったでしょうか、昨日、今朝と除雪車が久しぶりに国道、県道、村道を走りました。またまた重い雪ですから、樹木の雪折れやそれによる電線などへの被害が心配されます。

DSCF3068-1ところで、釣りを趣味とする友人からハタハタを今年もいただきました。由利本荘地方の沿岸にも大群が寄せたようで、「にわか釣り人」もふくめ結構多くの村の方々がハタハタをめざして浜に通っているようです。

釣りの楽しさと、どっしり大漁の実益があるのですから、一度醍醐味を覚えたら「やめられない」とみなさん言います。私の友人は慎重な方なのでまったく心配ありませんが、海の特徴に不案内で、備えも充分でないと思われる「にわか釣り人」のみなさんには、海の怖さをよくとらえて、くれぐれも事故のないように楽しんでもらいたいものです。

師走半ばの天正の滝

雪降りなしのお天気が昨日までしばらく続きました。それで、およそ1時間近くかかる朝の除雪作業がないぶん新聞をじっくりよむことができたり、床の中の時間を延長できたりと、いつもの年にはできない師走の朝を過ごす日々でした。

CIMG1564-1きのうは諸々の朝の決済など(予告されていた臨時議会が22日開催に)を終え、すばやく着替えて車を合居川林道にむけ走らせました。「山肌の雪が少ないので、天正の滝までなら行けるだろう」とふんだからです。

里の山にもたんぼにも雪はほとんどなくなりましたが、渓谷まであがればまだ道路は雪。わが軽トラックではいかに4輪駆動でも例年の冬なら通行はムリですが、狩猟者でも入山したのでしょうか、すでに車のわだちがあるのでその跡をたどればかろうじて車は進みます。

実は、車が上がれるかどうかだけでなく、雪の季節の合居川渓谷は「雪崩の巣」となる極めて危険な沢。今はまだ雪が少なく大丈夫ですが、むかしから「この沢、真冬と春は下から入るな」がわれわれの合い言葉にもなっているのです。

そんなこんなで師走半ば車で上がれるのはめずらしいこと。「久しぶりに、12月半ばの天正の滝を見られるかも」というこちらののぞみは簡単に実現しました。

ということで、そうは見る機会のない師走半ばの天正の滝です。

CIMG1562-1CIMG1563-1CIMG1565-1CIMG1573-1CIMG1572-1CIMG1569-1そばのブナ林内では、雪上に大きなクマの足跡があり、ヤマブドウやカタスミ、ブナの実などをたっぷりと食べての脱糞の跡も。ここ2~3日前に雪の上を移動しながら、まだせっせと食べ物を摂っているという印です。これは雪が少なく食べ物が豊富だった今年のクマの生態を知るこのうえない証です。

このクマ公さん。冬眠の穴は合居川渓谷のうちで、まだそこらをうろちょろしているか、それとも明通沢、大深沢、大柳沢、土寄沢や北ノ俣沢方面まで向かったか、あるいは県境を越えて南本内川上流域か、胆沢川上流域の自分の決め穴まで戻るクマなのか。初冬、雪の中でも驚くほどに遠距離を歩くクマを幾度か追う体験をし、または聞いたことがあるだけに、私の想像はどんどんひろがります。

松むげぇ(松むかえ)

師走もいよいよ押しつまってきた村、行き交う人々が門松用の松の枝を手や背にしているのをみかけることが多くなっています。

野の松の木から枝を切りとりお正月用の松を採ることを村では「まづ、むげぇに、えぐ(松を、むかえに、行く)」と言います。

今年の「松むげぇ」は、いったん積もった雪がほとんど消えましたからこれまでは楽ちんでした。ただ、17日からは雪の予報なので、これから「むげぇ」にゆく方々はキャンジギ(カンジキ)をつけなければ、里でも雪が深くなり山入りは難しくなるかもしれません。

村の門松はほとんどがアカマツとヒメマツ(キタゴヨウマツ)。家系によって、集落によって松の種類が昔からのならわしとして決まっていて、集落では田子内・岩井川地区が主にアカマツ、それより以南の椿川地区はヒメマツを用いる家が多いようです。

わが家の家系は、アカマツが主の岩井川にあっても門松はヒメマツ。田子内地区などでも、わが家系とはまったくちがいますがヒメマツの家系もあるようです。

わが集落ではアカマツの木が比較的多いので、「門松はアカマツ」が主流になったのでしょうが、どうしてわが家系筋だけがヒメマツとなったのか、そのいわれを私は知りません。ヒメマツはこの人里では少なく、それがために、ヒメマツ筋の家は「松むげぇ」も大変なので、家の敷地に門松用としての木を植えている方が少なくありません。(こんなことをこれまで繰り返し記していたはず)

わが家もそんな家のひとつ。家のそばに、もう20年ほどにもなるでしょうか、こちらが植えた松がいまでは役立つほどの大きさになっています。こちらはここ何年か喪中が続いていて松に手をかけることがありませんでしたが、今年は久しぶりに、勢いある緑濃い松の枝を採って飾ることができそうです。

CIMG1556-1CIMG1559-1▼ぼやっとしている写真は秋田側から見える焼石連峰のほぼ全貌と、役場からのぞむ向かいの山々です。今朝は霧に隠れてみえませんが、滝ノ沢・大日向山のブナ林も、今の時期、雪がこんなに少ないのはめずらしいこと。私が通う大日向山にある冬眠穴にも、ブナグリ(ブナの実)をいっぱい食べて厚い脂肪を蓄えたクマが、17日あたりからの吹雪予報を悟って、なんぼなんでもそろそろ穴入りの支度に入っているでしょう。

こんな師走半ばの雪国も

DSCF3059-1二十歳の頃、1年間住み込みでお世話になった相模原のSさん宅から、冬の定期便「やまと芋」を今年も送り届けていただきました。

年末のわが国はお歳暮の贈答便が多く、宅急便業者さんたちは大忙しの様子。加えて農山漁村からのそれぞれの名産、土地の「幸」が、親族などに贈られる季節。師走は、それぞれの家々で、列島の北から、南からと、贈られてきた各地誇りの食べ物をみなさんおいしくいただいているのでしょう。

DSCF3064-1気象予報士のおねえさんが「14日は一日いっぱいの陽射し活用を」とのべたとおり、北日本の雪国では家の中にいるのがもったいないほどのありがたい晴天。

ただ、こちらは手にかけている書き物しごとがあれもこれもとあり、もしかしたら今年最後になるかもと思われる貴重な陽射しをたっぷりと浴びつづけることはできず。それでも、こういう師走のめずらしい暖か日和をいくらかでもと、たまに外に出てはお日様を仰ぎました。

DSCF3065-1DSCF3066-1陽射しを喜ぶのは私だけではなさそうで、土手のたんぽぽも同じ。積雪が消えた後にも花が咲き、種を飛ばそうとしているのですから、なんとたくましい野草なのでしょう。

師走半ばにうれしい晴れ日

DSCF3048-1雨続きの金曜日、1月に開会した通年議会は閉会となり、午後3時にはジュネススキー場の安全祈願祭へ。その雨が雪を解かしたこともあって大小河川が増水、わが家前の成瀬川も12月半ばとしてはめずらしい規模の濁流となりました。

岩手県では同じ雨雲が影響してでしょうか、JR山田線で土砂崩落による脱線事故がありました。わが集落・入道地区の北部「菅又沢」分かれの小沢はるか上方にも、この雨と雪解け水が引き金となったのか土砂崩落の新しい跡が見られました。初冬と雪解けの春は、雨と雪がタッグを組む水の大量地下浸透による土砂崩落にも要注意です。

DSCF3049-1DSCF3053-1DSCF3050-1DSCF3054-1DSCF3052-1一転しての晴天土曜日。「もしかしたら、こんな雲一つないお天気は今年最後かも。陽射しをいっぱい浴びておこう」などと思いたくなるような、おとといの村でした。

朝霧がたちこめたその日、「えそらで、きもぢ、ええな(よいお天気で、気分、いいですね)」そんなあいさつをほうぼうで交わしながら妻といっしょに所用で村のあちこちをまわり、時には立ち止まってカメラを景色へ。

DSCF3057-1DSCF3058-1DSCF3063-1もちろん、日課みたいになっている河川敷の散策もこんな晴れ空ではとっても快適。それに散策の楽しみのもうひとつユギノシタキノゴ(エノキタケ)も、積雪で草や笹、低木類が押さえられているため立ち枯れ木では目に入りやすくなっています。いまのエノキタケは、味を楽しむというより天然の鮮やかオレンジ色が食欲をうながしてくれます。ということは、きっと健康にもいいのでしょう。

この日、夕方3時、もう向かいの山にお日様が隠れてしまいました。来週にはもう冬至となります。「冬至までに、クマは、穴さ、へる(入る)」とは、村のマタギの昔からの言い伝え。個体によって例外もありますが、ブナの実が豊作で、積雪の少ない年は穴入りが遅く、今年はちょうどそんな年です。

でも冬至間近、それに17日からは吹雪の予報、穴入りしないで山の幸を食べつづけていたクマたちも、そろそろ越冬穴にむかう時期。集落前後のあちこちの道路には雪上に「クマの足跡があった(穴にむかっての移動でしょう)」という知らせが度々入ってきます。