村長の県町村会会長就任を祝う会

村の資源と諸々の条件をいかしたはたらく場の確保は、定住人口を増やすうえで最重要の政策です。

はたらく場づくりと抱き合わせで求められるのが住む場所、家の確保。村は、今年の当初予算で「若者むけアパート形式の住宅建設」をめざすことにし、準備をすすめていました。

これについて、建設場所や住宅の構造、入居対象となる利用者などについて、最良の成果がもたされるよう提言すべく、議会常任委員会の調査活動がはじまっています。

昨日は、予算措置にもとづく作業がどの程度まですすんでいるのかなどを含め、この事業について当局の現段階における具体案を聞く常任委員会がひらかれました。

事業規模は木造か鉄骨かでだいぶ違いますが、現在計画されているのは、夫婦二人か単身者むけのアパート形式二階作りの建物で、およそ8世帯分(構造の関係で変動あり)。一階は車庫(普通車と軽の2台収納)、2階に1LDK、洋室1、バス、トイレ、台所の住まいという構造です。

説明後、議員から、建設場所や入居対象者、それに関連する建物構造などについていくつかの質問がありました。議会は、来月に、この若者むけのアパート形式住宅づくりで先例のある自治体への管外研修を計画、その研修も今後の提言にいかす段取りをしています。

これは予算措置で当局側が最大の留意をもとめられる「最小の経費で最大の効果」という建設目的を果たしてほしいことを期待する質問であり、研修です。当局としても様々な角度から意見をきき、より政策効果のあがる事業となるよう検討がされているようです。

▼夜には、佐々木村長の県町村会会長就任を祝う会へ議員全員が出席しました。

村の振興発展、村民のくらし最優先を考え自立の道を選択したわが村。村長の会長職就任で、これまで以上に村の自治への注目関心が県内ではとくに大きくなると思われます。

地方自治が憲法に定められた昭和22年、文部省は中学校1年生むけの社会科教科書副読本として「あたらしい憲法のはなし」を発行しました。そこには地方自治の根本の姿がわかりやすく書かれています。CIMG0152-1CIMG0153-1CIMG0154-1

この姿にそった政治にむかって、会長職としても、村の発展を担う代表としてもいっそうの尽力をしていただきたく、お祝いの言葉をのべました。

CIMG0149-1▼昨日は、早朝5時から水田の「転作現地確認」もあり、身も心もせわしい一日でした。きのうも今日も、半袖では肌寒さを感ずる梅雨入りの村です。

永田町、総理官邸、霞ヶ関、ブッシュで草刈り

CIMG0141-1CIMG0142-1CIMG0144-1IMG_2500-1道路整備、雄物川上中流整備、成瀬ダムな県南6期成同盟合同による国会や国交省、財務省への要望会が25、26日におこなわれました。一行は、大仙市から湯沢市までの首長や議長、土地改良区の代表などです。

国会が延長され、しかも、重要法案の特別委員会審議が続行中ということもあってでしょうか、両日とも、議員会館や霞ヶ関では全国からの要請団とすれ違ったり、ロビーで同席する人々の員数は少なく感じました。写真は、激論続く国会、議員会館の喫茶室から隣り合わせる総理官邸、国交省の要請活動に集合した一行。

みのり川代議士事務所のご案内で各機関などを訪れ、また国会対応の合間を縫って代議士は総理官邸での菅官房長官への要請にもご案内と同席をしていただきました。今回は宮下財務副大臣と財務省の田中主計局長、小野主計官の3氏が同席で要請を受け止めていただきました。いつものことながら、代議士をはじめみなさんには様々な面でお世話になりましたこと、ここからも厚くお礼を申し上げさせていたただきます。

要望団一行には私もふくめ農家が一定数おります。総理官邸で要望活動を行っていたかと思えば、帰ってそのすぐ翌日の土曜日、たとえば私はブッシュ(草刈り機械)を振り回し、ナタを腰に、雨合羽で、早朝5時からのたんぼ用水路の共同草刈り作業です。

金曜日未明から土曜日、そしてきのうのしとしと雨はまさに秋田では恵みの雨。村の畑、作物はこれで命の水をつなぐことができました。成瀬川もそれに注ぐ小河川も久しぶりにわずかな増水を見せました。しとしと雨ですから、地面にたっぷりとお湿りを蓄えての川の増水。雨もこういう降り方をしてくれるとありがたくなってきます。

CIMG0148-1▼木曜日に成瀬川の急な濁りのことを一時記しました。先のマス釣り大会時にも川が急に笹濁り、先日はそれよりもっと濃い濁りでした。それで「人為によるものか?」という含みで受け止められかねない言葉足らずの記し方をしました。その直後「どうも、濁りは、局部的な降雨によるものらしい」という生情報を都内へむかう途中にお聞きし、誤解を招くとよくないと思い、その箇所の言葉を削りました。

いずれの日も、私らがいる地域での降雨はなく、成瀬川上流のごく限られた範囲で濃い濁りを生ずる降雨があったからなのでしょう。「川の増水はほとんど生じないが濁りだけはおきる」という自然現象が、雨なし天気が続くもとではおきるということなのでしょうか。あの濁りは、わたしにとってはとっても不思議な現象でした。岩手宮城内陸地震による成瀬川最上流部の土砂崩落現場も含め、濁りの元となる土の大量崩落や露出とかが、あの地震から数年経ってもまだ影響しているからなのでしょうか。

▼昨日は、菅官房長官を囲む懇親会が湯沢で開かれ出席。昨年の村と議会の要望でご尽力をいただき、早速目にみえるかたちでその要望が具体化されることになりました。そのお礼を、総理官邸でも、きのうも申し上げました。

赤と黒

CIMG0047-1CIMG0052-1▼初夏の日を浴びて、グミは真っ赤に、カゴ(カンゴ、桑の実)は真っ黒に熟しはじめています。

CIMG0042-1クマは甘~いこの桑の実が大の好物。この間など、わが家そば国道脇の桑の木の下の草を踏みつけ座って、クマが桑の実を食べたらしい跡がのこっていました。人家すぐ近くにも桑の木はありますし、集落そばの林道沿いにも桑の木はいっぱい。これからは、「熟した黒い桑の実があるところにはクマがいるかもしれない」との警戒心をもちながら歩いたほうがよさそうです。

▼きのうは、除草剤の効かなかった雑草「びっきのハナトオシ(ホタルイの仲間)」を少し引き抜きにたんぼの中へ。

CIMG0129-1そしたら、こちらより先に、その雑草を引き抜いてくれている生きものがいるようで、水面に根のついた草が浮いていました。その生きものはおそらく、ここらあたりに棲んでいてときどき田んぼに浮かぶ姿がみえるカルガモかオシドリでしょう。

水田にアイガモを放って除草させる農法は聞きますが、なるほど、野生のカルガモたちがたんぼに舞い降りるということは、こうしてかれらもたんぼの草を食べてくれているのです。ホタルイの茎は残されていますから、カモくんの好物はホタルイの根茎(芋)なのでしょうか。

引き抜かれた草をみて、これからは、カルガモくんたちを、ありがたい心でみつめなければと思った次第。もっとせっせと引き抜いて食べてくれればさらに尊敬の念をもつのですが。これは彼らのお遊びなのか、本気なのか、たずねたいものです。

CIMG0057-1

 

▼今日と明日は、ダムや治水、高速道などの要望で、県南の市町村や関係団体合同の行動です。地方の出先機関と国会、政府への要請が予定されています。

ラジオをそばに薪割りしごと

CIMG0126-1

いつものように役場で所用を片づけた後、きのうは妻と二人、薪割り作業にとりかかりました。

今年は昨年よりやや早めに薪づくりが進んでいます。薪の切断とちがい、割りはすべて手作業なので機械音はなく、まさかりを振り下ろした時のダーン、ダーンの二人のつくった音だけが静かな山間にこだまします。これは人間がつくる最も昔的な音のうちのひとつでしょう。

ところで、こういう静かな作業にはラジオがもってこいです。

斧を振り下ろしながら、時に歌、時に圧倒的多数といってもいいでしょう憲法学者が「違憲」と言い、複数の元内閣法制局長官も国会で「違憲」と発言した集団的自衛権の行使におよぶ法案に関連する異例の国会延長ニュース、時に人生相談、時にこの時期としてはめずらしいほどの寒気が上空に南下しての局地的な「大雨と雷への警戒」をよびかける天気予報。肉体労働のいわば極みみたいなしごとをしながらなのに、小さな塊が発する音で、楽しみ、考え、教えられ、笑える。

ラジオって、いいものですね。

議会が係わる今年最初の教育視察が宮崎から

CIMG0106-1

きのうは夏至。一年で最も北に近い方角から、緑の勢いを増し始めた稲田に初夏の朝日がさし込みました。

▼今年はじめて、地方議会関係の教育視察がきのうみえられました。村を訪れていただいたのは宮崎県西米良村議会の総務文教常任委員会のみなさんと議長さんご一行5人です。

同じ日、朝一番から午後3時までの予定で中央大学の学生さんと教授のみなさんが先行して視察日程をくまれていたようで、西米良村議会のみなさんもそれをご承知で訪れていただいたものでした。

CIMG0114-1CIMG0118-1役場での教育長の説明、終わって小学校や児童館での校長先生をはじめとする案内や説明をていねいにしていただき、子どもたちのとりくんでいる学習や学校生活の環境などをじっくりと視察してもらいました。放課後時間となり子どもたちの授業そのものをみていただける時間はありませんでしたが、「視察の目的はとげられたのでは」と感じています。

きのうの西米良のみなさんも、今日訪れていただく岡山・備前市議会のみなさんも、村内の宿泊施設を利用、あるいは予約していただいており、この点もふくめ、村を視察先に選んでいただき心からの歓迎とお礼を申し上げるものです。

DSCF4507-1▼先の日曜日、釣り大会や山菜まつりの様子に触れて後、今後にひかえたある目的もあって栗駒山麓・昭和湖まであがりました。そのとき、登山道脇に咲く高嶺の花たちのいくつかを目にしました。

初夏の花々を楽しむ登山なら、栗駒も焼石も今が旬の締めくくりというところでしょうか。北に隣り合わせる残雪の焼石連峰や、栗駒・栃ケ森山周辺森林生態系保護地域に指定されるブナの森と稜線を視野に「いつか、歩き残している稜線のすべてを辿りたいもの」と胸に秘めながら上り下りしました。

CIMG0095-1CIMG0092-1CIMG0087-1CIMG0100-1CIMG0088-1CIMG0090-1CIMG0098-1CIMG0101-1CIMG0103-1DSCF4489-1DSCF4500-1花は、ワタスゲ、イワカガミ、おげっこつつじ(ウラジロヨウラク)、どうだん(サラサドウダン)、ゴゼンタチバナ、タテヤマリンドウ、タカネニガナ、イワハゼ、ヒナザクラ、などの仲間たちです。これらに続くキンコウカなど盛夏の花たちも蕾をみせはじめたところがありました。

やる気、元気、活気、にぎやかな、土、日

15回目となる湯沢雄勝農業者大会が20日に湯沢市文化会館大ホールで開催されました。

CIMG0061-1CIMG0062-1CIMG0063-1今年の開催主管地は羽後町。大会の参与に管内3市町村の首長が名を連ねる大会であり、当番地の小野羽後町農業委員会会長が大会会長として、安藤豊羽後町長が主管地の首長としてそれぞれあいさつに立ちました。

二田全国農業会議所会長、御法川信英衆院議員、高橋千鶴子衆院議員の3氏が来賓あいさつをのべ、伝統の大会開催と参加者を激励しました。

CIMG0058-1続いて恒例の講演。元気な農業、とくに高齢者には健康がカナメ。今年の講師は人間総合科学大学教授の熊谷修氏。熊谷氏は、「健康寿命を伸ばす食の手立て」をテーマに、人間の健康と老化を題材に「介護されたくないなら粗食はやめなさい」として、肉、卵、牛乳、油脂、芋、豆類、緑黄色野菜、海草など10の食品目を摂ることの大切さを説きました。

参加者がいつも学ばされる実践発表は、若き農業者として、羽後町の大森功太郎氏と稲川の高橋征志氏のお二人。大会は「農業への希望を失わないでがんばろう」と元気をもらいあうことも一つの大きな目的であり、今回の発表も例年のように好評でした。

JAこまちの組合長さんが提案した決議と羽後町土地改良区理事長から提案された大会宣言が採択され、今後国会や政府などへの要請活動が行われます。

CIMG0064-1CIMG0072-1CIMG0076-1CIMG0080-1▼昨日は、村もわが集落もにぎやかな一日となりました。肴沢では郷社「祇園様のお祭り日」、わが家前の公園では46回目となる「なるせ川マス釣り大会」、どちらも花火がドーンドーン。それに夢なるせ直売所では「新緑山菜まつり」でこちらも大にぎわい。

CIMG0080-1CIMG0082-1CIMG0084-1釣り大会では、宮城、岩手、山形などからも含め参加費無料となった女性や子どもの姿が目につき、山菜まつりでは、草餅、ミズやタケノコ、ウルイなどの山菜鍋、山菜テンプラがこちらも無料でいただけるとあって駐車場からは車があふれるほど。店頭にならんだ山菜などもあっという間に品切れとなってしまったようです。

山菜の品目が限られるシーズンになっての山菜まつりでしたが、村ならではといえる昔ながらのごぼっ葉(オヤマボクチ)でつくる伝統の草餅、それに山菜鍋への人気には根強いものがあると、楽しそうな近郷近在の人々の動きと笑顔をみて感じました。

CIMG0086-1二つのまつりをちょこちょことながめ歩いた後、お天気もよかったので栗駒山麓の昭和湖まで高山の花景色を眺めに約1時間歩いて上がりました。岩手も秋田も須川温泉の駐車場は車でいっぱい。栗駒の初夏の花景色と須川温泉、こちらは全国からの登山者、お客さんでいっぱいでした。花の百名山・焼石岳は隣り合わせ、二つを兼ねる登山者も多いのです。

クルミとブナで一思案

朝と夕、たんぼの水張りぐあいを確かめにまわる日々がまだまだ続きます。

篤農家の方々とちがい、こちらは時に車を走らせながらたんぼを「眺める」手抜き農家の一人。そんなことをしているものですから、畦にモグラが穴をあけたのを知らないでたんぼが乾きそうになっていたり、水を止め忘れていたり。その結果、除草剤がよく効かずに雑草がチラホラというツケも少々まわってきました。

CIMG0045-1「これではいかん、やっぱり手抜きはできぬ」と、たまにていねいに畦を歩いた先日、畦に、どうしたことかクルミの実がちょこんと一つ見えました。手にしてみたら殻の中には実がしっかり詰まっている色あいと重さの手応え。いったい、畦にクルミを運んできたのは何者なのでしょうか。

昨年夏のクルミをどこかに蓄えていて、それを道路で車に割らせようとしているカラスは今もまだ時々目にしますから、このクルミの主はカラスか。それともリスが運んできて、何かに危険を感じクルミを残していったのか。私の想像は、クルミを口にしてここまで持ち込んだ生きものの動きをどんどんふくらましてゆきます。

CIMG0044-1▼薪切り作業をしていたら、材の中に、まことにまっすぐなブナが一本ありました。これほどまっすぐだと、私らむかしの木材関係者は「薪にして燃やすのはもったいない」と思ってしまいます。

 

高度成長時代、木材の価格が今では想像できない時代、ブナなどの広葉樹でも、その用途価値と価格の広さ大きさはそうとうのものでした。

山で切り倒されたブナは、約2㍍、あるいは1㍍に造材切断されました。そのうち太くてまっすぐなブナが最高級で、これは十文字にあるT合板製造会社などに。まっすぐだけれどもやや細めのブナは川連の漆器業者などに。やや曲がりがあり合板にも漆器にもむかない材は、果樹箱や魚箱などの製函材として村内外の製材業者へ。それらのどこへもむかない曲がった材や細い材、やや腐りのはいった材はすべて増田や十文字のチップ製造業者、あるいは秋田市新屋の製紙会社へと運ばれ、材はすべて手厚く利用され尽くしました。

そんな「できるだけ価値の高い材を」という時代を生きてきただけに、材の性(しょう)の良いまっすぐなブナを目の前にすると、燃料用に切断してしまうのがもったいなく思えてくるのです。昔のことが体に染みついているからです。

当時からすれば生産・販売量は激減の漆器産地でしょうが、このまっすぐなブナ一本、川連の漆器産地では、今いったいいくらで取引されているのでしょうか。

イチゴを食べ食べ薪切り作業

CIMG0032-1

燃料用に用意していた薪づくりの作業に今年もきのうからとりかかりました。

昨年、りんごの木をだいぶ使えたおかげで今年は在庫が多く、準備した薪材は昨年より減らして5張(5㎥)。樹種はミズナラが多く、次いでブナとイタヤカエデ。

一年ぶりに聴くチェンソーのエンジン音、材にノコ刃がくい込んでゆく時の切れ味の心地良さ、この作業をしている時は他のどんなことも考える余裕はなく、ただひたすらにアクセルをしぼるのみ。腰は痛いが、切り重なった材をみると、いかにも仕事をしたという達成感がじわーっと湧いてくるからおかしなものです。

チェンソーを持つと体がむかしにもどり、なぜか立木を切り倒したくなるから、これも不思議なものです。

CIMG0037-1

▼妻がつくる少し形のいびつな自家用イチゴ「とちおとめ」もようやく熟れ盛り。人家がそばにない山の中の畑で、獣や鳥よけの網なども張っていないのに生きものたちは少し食べただけ。「あれだも、くいでべぇ(獣やカラスたちも、食べたいでしょう)」と、無駄な抵抗をしない妻をみて、生きものたちが遠慮しているのでしょうか。

わが家そばの真っ黒に熟れ始めたカゴ(桑の実)にはクマも立ち寄りはじめましたが、よくイチゴには手をださないものです。それと、湯沢市三関、山沿いにある日本一のさくらんぼにも、クマがよく来ないもの。こちらも私はなぜだろうと思っています。イチゴもサクランボも、クマは好物ではないのかもしれませんね。

これらの生きものたちにかわって今年はイチゴにも新しい敵があらわれました。それはマイマイガ。イチゴの葉っぱは彼らの幼虫が好物らしく、毛虫とこれを駆除する妻とのたたかいが続いています。木の葉っぱも食べれば草も食べる、ほんとにこれは手強い毛虫です。

じゅんさいの高級粘りは、食べ物界筆頭でしょう

自然、とくに植物の世界がいつもの年よりも10日ほど早くまわっている感じの今年の村。

過ぎた日曜日、息子が「じゅんさい」を少し摘んできていたので、こちらも「まだ、いくらなんでも早いだろう」と思いながらも、触発されて向かってみました。

CIMG0009-1CIMG0015-1CIMG0022-1CIMG0026-1CIMG0024-1CIMG0029-1やはり摘み頃盛りにはまだまだ。あっちで少し、こっちで少しと、初物をごちそうになれるほどをなんとか摘み、湿地に棲むいろんな蛙の鳴きを聞き、愛し合うトンボを眺め、ランやスゲの仲間が花咲きはじめた静~かな景色のなかでひとときを過ごしました。

村では、すでに転作作物として「じゅんさい」をつくる農家もおります。天然モノのじゅんさいがこのように極めてよく育つ村ですし、水も豊かな村です。夏冬通して農地に水が途切れない条件は必要なので栽培地はやや限られますが、リンドウと同じように栽培の適地だけに極めて品質のよい「じゅんさい」が村では採れます。前述の農家がつくる「じゅんさい」も、見目、形、おいしさと、なかなかのすぐれモノでした。

「荒れた農地、そのままにしておけば荒れる農地にワラビ植え付けを」で村のかなりの農地(水田転作だけで約15㌶)が有効利用されています。特産のトマトやリンドウなどの作付けを奨励拡大するとともに、それと同じように、他の山菜や野草、薬草、「じゅんさい」などにも目をむければ、こちらにも農地の荒れを防ぎ、復元する役割を果たしてもらえそうです。人工の「じゅんさい沼」は、ある程度の水深を保てば雑草がほとんど生えないという特徴があります。広い面積でも除草しなくて済む、それで作物がとれるというだけでもこれは助かります。

こうした作物、いずれも中国産が国内市場ではハバをきかせているようですが、安心安全な国産のいいモノは必ず評価されます。豪雪の村の「じゅんさい」は、他の山菜と同じように国内ナンバーワン、ということは世界ナンバーワンの品質といってもよいでしょうから。

ただし、「じゅんさい」はご承知のように水深をやや必要とする沼状の土地が必要。栽培地を簡単な沼地へ造成するには重機、バックフォーの力も必要です。「じゅんさい」栽培のこと、昨年もなんだか記したような気がします。

豪雪の村ではまだウドも

過ぎた週末、めずらしく妻から「ねげぇこど、ある。なんとか、ンド、採ってしてけねが(お願いがあるの。なんとか、ウド、採ってきてほしいの)」と、頼みごとをされた。

ある知り合いの方から「山ウドの大好きなお客さんに食べさせたくて」と、なんとかお願いをされたらしい。すでにウドなど春の山菜のほとんどはシーズンが終わり、ましてや今年は雪解けが早い。6月半ばでウドの採れるのは深山の雪崩跡に雪塊が多く残っている所に限られる。

CIMG9975-1「行ってみなければわからない」という言葉を残して、とりあえず深山渓谷のクラ(崖)を上にみる沢に入った。やはりいずこも食べ頃をすでに過ぎたウドばかり、それでもなんとか雪消の遅い箇所をめぐり必要量だけは確保できた。

直売所でも、夏の間店頭に並びつづけるミズを除けば、春の山菜で最も長く人気を保てるのはウド。ヤマウドなどは、天然モノも畑地モノも質は変わらない。とりくめる条件のある方は栽培にもっと力を入れてもいいだろう。ウドは売れ筋ナンバーワンなのだから。

CIMG9982-1CIMG9984-1村の直売所には、初夏シーズンのタケノコやミズ、ワラビに並んで、農産物のイチゴやにんにく、ホウレンソウが顔を見せるようになった。ここは豪雪の村、山菜から畑作物に直売所のカオが完全に切り替わるまではまだしばらくの日数がかかるようだ。

CIMG9971-1▼ウドをめざした同じ日の前の時刻、別の箇所の笹藪に入り、一般的な山ではシーズンも終わりに近づいたタケノコを少し背にした。

以前に記したように、この時期にタケノコを主食としているクマは、タケノコが盛りとなる場所を次から次へとわたり歩く。ちょうど、ハギミ(山菜採りのプロ)の方が盛りのタケノコが出る場所を知っていて渡り歩くように、クマもまったく同じ行動をとるのである。

CIMG9970-1そこには、必ずといっていいほどにクマの脱糞跡がみられる。ちょうど栗やドングリを食べる時に、木の下に糞をするのと同じ。これもおそらく、自分の存在を知らせるための行為なのだろう。人は声や笛などでクマに存在を気づかせるが、クマも同じように木の皮を剥いだり、糞をしたりで自分のテリトリーを他に知らせているのだろう。

このように無用な争いを避ける知恵をクマはちゃんともっている。人とクマとの出会い頭の不運な事故は、事故を未然に防止しようとする互いの防衛策がはたらかない時におきるのである。

CIMG9995-1▼2度目のたんぼの畦草刈りをきのう終えた。畦がきれいになると稲の緑がいっそうひきたつ6月半ば。村のたんぼを見渡せば、80歳を過ぎた方々の元気な草刈り作業も目に入る。高齢のみなさんのはたらきもあるから、村のたんぼの美しい景観はまもられる。